惑星おいしそう

惑星科学のお話,たまに歴史のお話を徒然なるままに

羽田空港までチャリンコで行ってみたら多摩川の歴史がちょっと見えた

今回も宇宙の話ではありません。

川って,なんかいいですよね(唐突)。
自動車教習は多摩川の近くでしました(取ってから一度も運転しないまま最初の更新を迎えようとしている。このままいけば違反点数たまらずにゴールド免許ゲットだぜ)。
教習車で多摩川近辺を何度も通ったので,多摩川はなんとかく懐かしいところです。

あるとき,ふと思いつきました。
多摩川でサイクリングしたいなあ」(やはりドライブではない)
でも,ただサイクリングするだけでは河川敷しか見えなくてつまらないので何かゴールが欲しい。

地図を見てみると,なんとずっと下流に行けば羽田空港があるではないか!
もうずっと前の話だけど国際線ターミナルが新しくできた(2010年)ことだし,一度降りたことしかない(しかも夜だったので直帰した)ので是非一度ブラブラしてみたいと思っていたところ!

大学3年生の後期と言えば,授業数も少ないしテストはほとんどない,院に行くので就活はしてない,院試のお勉強をちょくちょくやるくらいしかすることがないのです(なんてこと言ったらいろんな人に怒られそう)。
人生で最も暇な今に,やりたいことをやってしまわねば!しかも明日は冬なのにあったかい予報だぞ!
ということで急遽計画した羽田空港チャリンコ旅。

Google mapで調べたら約16kmでチャリだと1時間ちょっとで着くとのこと。
余裕そうですが,全然運動していない私が1時間以上チャリを漕ぐのは結構大変そう。

でも私,自転車持ってない(/・ω・)/
なのでレンタサイクルを利用することにしました。
二子玉川駅で借りられるという情報をゲットしたので,そこで借りました。ネットって便利ですね。

二子玉を出発して,多摩川沿いをず~っと走って羽田に着くというシンプルな経路です。

f:id:torakokumakoushiko:20170202163035j:plain

しかし,ここでまたもや問題が。


羽田って駐輪場あるのか?


調べたところ,羽田には駐輪場がない!
一番近い所では東京モノレール天空橋駅にあるとのことなので,少し離れていますがそこに置くことにしました。

 

当日は早起きして二子玉に向かい,早速チャリを借りる。
出発地点は二子玉の二子橋です。多摩川の左岸(東京側)を走ります。

出発してすぐに車道が堤防の上を走るようになるんですが,結構狭いのでそこは避けて堤防の内側に入りました。
でもすぐに道がなくなったので笑,堤防の外側の,住宅しか見えない道路をひたすら走りました。(実は堤防の内側にも続きの道があったのを帰りに発見した。ただし砂利道)

とにかくひたすら堤防に沿って走ります。
すぐに田園調布という,自称宇宙人をはじめとするお金持ちがたくさん生息している,聞くだけで恐れおののいてしまう,私のような庶民大学生には一切ご縁がないけど私の地元出身の偉人,渋沢栄一が開発した地域に入ります。
ここら辺は堤防上の狭い歩道を走行します。
すると,いつの間にか左岸にかなり急な斜面が現れました。

「東京は関東平野のど真ん中なんだから割と平らなんだよね!」
と思っていた時期が私にもありました。東京に詳しくない人の多くはそう思うでしょう。

とんでもない!東京にも結構起伏があります。

例えば渋谷なんてのは名前のとおり谷になっていて周辺には坂がたくさんあります(宮益坂とか道玄坂とか)。
某国立工業大学があるのは大岡山というところで,キャンパス内にはかなり高低差があります。

多摩川沿いにも結構大きな起伏があります。今の多摩川下流は東京と神奈川の県境になっていますが,昔は今よりも東京寄り(地図の上側)を流れていました。
だんだんと流れが南に移るのに従い「河岸段丘」という段々畑の大規模バージョンみたいな(こんな表現したら突っ込まれそうだがこんなイメージ)平坦面をいくつか作りました。

f:id:torakokumakoushiko:20170222140825p:plain
【大地の変化】の達人より)



その大規模バージョン段々畑の段々の端の1つが「国分寺崖線」という,国分寺市の方から大田区まで続く崖になっていて,私が見た急斜面なのです。
図の左上(丸子川)から右下(下丸子駅付近まで)に向かって伸びているのが国分寺崖線

f:id:torakokumakoushiko:20170202163457p:plain
武蔵野と水辺より)




f:id:torakokumakoushiko:20170202161407j:plain
ちょうどこの石碑のところで国分寺崖線が堤防に接します(地図の多摩川浅間神社のところ)。
後日,国分寺崖線をもっと詳しく辿ってみようと写真の石碑のところに改めて行ってみました。
段丘崖の上には神社や古墳などがあって,それらを見ながら国分寺崖線を観察しようとしました。しかし斜面には家がたくさん建っており,辿っていくのは割と困難で途中で諦めました。


 



ここからは堤防の内側のサイクリングコースを走れます。羽田の近くまで10.5kmあります。
あとはひたすらコースを走ります。ランナーもたくさんいるので譲り合いましょう。
途中で京急線や新幹線の下をくぐったりします。
河川敷にはサッカーや野球の練習をする少年少女がたくさんいました。剣道少年だった昔を思い出しましたね。

サイクリングコースが終わりに近づくとカモメが現れたり,海の向こうに飛行機が飛んでいるのが見え始めます。
河川敷がなくなり,ずっとまっすぐだった道が北に折れてさらに進んで橋を渡ると大きな鳥居が現れます。

f:id:torakokumakoushiko:20170203133745j:plain

昔この辺りにあった穴守稲荷神社の大鳥居です。
戦後,連合国軍によって占領されていた時に空港を拡張するためアメリカ軍が空港周辺住民に強制退去を命じました。その時に撤去しきれなかったのがこの鳥居だそうです。
さらにその後,拡張工事の際に撤去することになっていたのを1999年に移転させて今に至っています。
ちなみに,米軍に強制退去させられた地域の一部は今も更地になって残っています。京急線天空橋駅地上駅舎のすぐ裏です。


鳥居のところに来てもその先にはチャリンコで進めないので,橋を渡って天空橋駅へ。ここに駐輪して空港に向かいます。

私はここから歩いたのですが,歩くと結構かかります。国際線駐車場をぐるっと迂回するように環八を歩くのでかなり時間がかかりました。駅から東京モノレールに乗るのをオススメします。


だいぶ歩いてようやく国際線ターミナルに到着です。着いたのが10時過ぎ。出発したのが8時半ちょい前なので歩きも含めて1時間半で着きました。ノンストップで頑張った!
ちょうど春節だったプラス土曜日だったのに全然混んでなかったですね。ほんとに訪日外国人って増えてるのか?

ずっと行ってみたかった江戸小路をぶらぶらしてお昼食べて飛行機を見てはしゃぐなど。
フライトシミュレーターやるの忘れた悔しい。

国内線ターミナルに無料バスで行けるのでそちらも一通りブラブラして飛行機を見てはしゃぐ。離着陸を見るのは楽しいですね。

f:id:torakokumakoushiko:20170203133309j:plain
かわいいのがあった。



帰りは来た道をそのまま帰ります。内陸に行くから多少は登りになっていてつらいかなと思っていましたが,思ったより早く到着しました。
もちろん,その後は足が痛かったですが翌日に持ち越さず寝たらすぐに回復しました。

いつか思い立って羽田までチャリンコで行きたくなったときにはご参考に。 


羽田空港豆知識★
1.成田空港は国際線がメインなのでなんとなく人も多そうだが,実は羽田の方が倍以上も旅客数は多い。国内線の利用者数が羽田の方が一桁多く,成田が国際線で巻き返してもかなわない。貨物は成田の方が多い。
2.羽田空港大田区の面積の1/3を占めている。
3.チャリンコでも行けるぞ!