読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

惑星おいしそう

惑星科学のお話,たまに歴史のお話を徒然なるままに

太陽系誕生物語

惑星科学

最近,お金を使いすぎています。
ドラマのDVDも欲しいし,スコアも欲しいし,
誰か養ってください(働け)

//////////

さてと,今回のテーマは「太陽系誕生物語」です。

私たちの太陽系。
探査機もたくさん飛ばして,
太陽系の外に惑星があることまでわかってるんだから,
太陽系がどうやってできたかなんてとっくにわかってるんだよね~(*´▽`*)

 

いいえ,わかってません(+_+)
どうやって地球や木星なんかができたのか,
一から全部完璧に答えられる人はいません。

 

世界中の人があーでもないこーでもないと言って考えてきたストーリー。
まだよくわかっていないことも含め,
太陽系がどうやってできたのか,特に惑星がどうやってできたのかという理論
「惑星形成論」をお話します。


実はこの惑星形成論には,日本人が大きく貢献しています。
京都大学の故・林忠四郎名誉教授の研究室が発表した「京都モデル」が現在の惑星形成論の1つの元になっているのです。
この京都モデルを拡張することで,惑星形成論を完成させようとみんな頑張っています。

ちなみに林先生は,あの湯川秀樹に師事していました。
そして,今の日本の惑星形成論研究を引っ張っている人は林先生に師事していた人が少なくなく,研究者の系譜を感じますね。

 


さ~て,いよいよ本題です。
今回も結構ボリューミーで,私も一番書きたかったテーマなので気合が入っております。
(ハードルを上げてしまった(´゚д゚`)

 

では,始めましょう。
大きく4つのステージに分けて説明します。

1.原始太陽・原始惑星系円盤
2.微惑星
3.原始惑星
4.惑星


1.原始太陽・原始惑星系円盤

太陽系は,まず中心にある太陽からできます。

宇宙空間はほとんど真空,というのはご存知だと思いますが,
「ほとんど」真空と言うだけで,何もないわけではありません。
主に水素からなるガスや,めっちゃ小さい固体の微粒子(ダスト)が漂っています。
太陽系はこいつらが集まってできるのです。

宇宙空間の中では,ガスやダストがめっちゃ薄く広がっていますが,
ところどころに微妙に密度の高いところがあります。
これを「分子雲」と言います。
分子雲の中でではガス・ダストが万有引力によって集まり,
特に密度の高い「分子雲コア」をいくつか作ります(図の左)。

f:id:torakokumakoushiko:20161006110402j:plain

 

この分子雲コアが万有引力によってさらに小さく集まると,
中心部はかなり密度が高くなり,「原始星」が誕生します。
太陽系の場合は特に,「原始太陽」と言います。これが太陽のもとです。

原始星ができたときには,まだ周りに分子雲コアの名残のガスやダストがたくさん残っています。
こいつらは,原始星からはたらく重力と,原始星の周りを回っていることによる遠心力によって,原始星の周りに円盤状に集められます(図の真ん中)。

こうして,原始星の周りにガスやダストからなる「原始惑星系円盤」ができます。
(太陽系の場合は特に,「原始太陽系星雲」と言うこともあります)
円盤の存在は観測で実際に確認されています。
円盤からは引き続き原始太陽にガスやダストが少しずつ降り積もって,今の重さの太陽ができます。
そして,この円盤から惑星が誕生していくことになります。


2.微惑星

原始惑星系円盤を作っているダストがくっついて集まると「微惑星」という半径数km程度の惑星のタネを作ります。
要するに岩の塊だと思ってください。

実はこの,ダストが集まって微惑星を作る過程は完全にはわかっていません。
次の2つの説があってどちらとも決着がついていないのです。

a.重力不安定説
b.付着成長説


a.重力不安定説は,ダストが互いの重力で引き寄せ合って集まったというものです。
分子雲から分子雲コアができるときと同じ感じです。f:id:torakokumakoushiko:20161019145901p:plain
(Newton Press より)


かなり自然な考え方に思えますが,微惑星ができるまでの時間を考えると結構難しいです。

重力は,2つのものの距離が短い方が強く働きます。
つまり,遠く離れていると弱い重力しか働かないので,集まるまでに結構な時間がかかってしまいます。
円盤内のダストの場合,予想されるお互いの距離が割と長いので強い重力がはたらかず,時間がかかりすぎてしまって上手くいきません。

円盤がかなり薄い=ダスト同士の距離が初めから短い,ならばうまくいくのですが,
円盤の中には乱流(元気なおこちゃまのように,あっちこっちへダストが動く)があるので,十分に薄い円盤をつくるのは難しいのです。


b.付着成長説は,あっちこっち動いているダストが衝突することで合体し,ドンドン大きくなっていったという考え方です。
これもまあ,よさそうですが,「衝突して逆に粉々に分解されないでくっついてくれるのか?」という問題があります。

北海道大学の田中教授の実験によると,ダストの表面に氷があると比較的くっつきやすく,シュミレーションすると時速200kmくらいでも砕けずに合体するそうです。
でも全てのダストに氷があるわけではないし,本当にどこでも上手くいくのかは疑問。

ということで,微惑星ができるプロセスはまだよくわかっていませんが,
微惑星ができないと惑星ができないので,なんとか頑張ってできたとしましょう。


3.原始惑星~4.惑星

微惑星ができると,今度は微惑星同士が衝突合体してさらに数を減らしていきます。

微惑星が大きくなると,「原始惑星」と呼ばれるようになり,今の惑星と同じようにほぼ球形になります。

そして原始惑星は,その通り道に残っている他の微惑星を重力で引き寄せて食べてさらに大きくなります。
雪の上で雪玉を転がすと,表面に雪がくっついてドンドン大きくなるみたいなイメージ。
そうして,現在私たちが目にしている惑星ができます。


ここで,ある疑問が。
太陽系には水金地火木土天海の8つの惑星があります。
内側の4つは小さくて,主に岩石でできている。
木星土星は大きくて,ガスがたくさんある。
天王星海王星は中間の大きさで,氷がたくさんある。

この違いはどこから来ているのでしょう?
その答えは次回の記事で。